八丈島は、はるか南洋から流れ来る黒潮の影響を受け、温暖・多雨の太平洋気候の中で植生も独特な進歩を遂げ、一方、この速い潮流が、本州からの影響を阻み名前の頭にハチジョウと名のつくような珍しい植物がたくさんあります。【るんるんガイド】では、そのような植物・花を「八丈島の花事典」として紹介しています。
八丈島の花たち
オオシマザクラ
唐滝川周辺の植物
光るキノコ
夏を彩る花たち
ハチジョウコゴメグサ
イズノシマダイモンジソウ
シマテンナンショウ
エビネ
カキラン
ナンバンギセル
シュンラン
むべ【トキワアケビ】
クワズイモ
センブリ
フデリンドウ
サクユリ
ハマゴウ
ナツエビネ




カフェ&バー るん

伝統工芸黄八丈め由工房

花卉鉢植 日の出花壇

八丈興発株式会社

株式会社 森秀
2006年創刊号 vol.1
オオシマザクラ
[大島桜]

伊豆大島から青ヶ島にかけての伊豆諸島が分布域であるオオシマザクラは、八丈島では3月上旬から咲き始め、3月下旬から4月上旬に満開になります。オオシマザクラの白い花が咲き始めると、八丈富士や三原山の中腹が所々白く見えます。この白くなっている場所がオオシマザクラです。
桜餅に使用している葉はこのオオシマザクラの葉ですが、島では桜餅を作る習慣はありません。
また、たくさんの花をつけるソメイヨシノはこのオオシマザクラから交配種として作られたサクラです。


2006年GW号 vol.2
唐滝川周辺の
植物

唐滝への道沿いではいろいろな植物が見られます。ハチジョウチドリやシチトウスミレ、ハチジョウテンナンショウなどは伊豆諸島ならではの植物です。ホウチャクソウは足元にひっそりと咲いています。唐滝近くではミヤマシキミの花が見頃です。
また
大変珍しいスジヒトツバの群落もこの周辺で見られます。ユノミネシダは水タンク周辺で見られ、八丈島ではここでしか見られません。ハチジョウイチゴは5月下旬頃には橙黄色の甘い美味しい実がなります。


ハチジョウイチゴ

ホウチャクソウ

ミヤマシキミ

テンナンショウ

スジヒトツバ

ユノミネシダ

2006年初夏号vol.3
光るキノコ

現在八丈島では7種類の光るキノコが確認されています。(2種類は未記載種)これだけの光るキノコが観察できる場所は世界中探しても八丈島しかないのではないでしょうか?

【ヤコウタケ】は光るキノコの中では一番有名、「グリーンペペ」と呼ばれているキノコです。【エナシラッシタケ】は柄がなく、下面は蜂の巣状です。この2種はヤシ類に発生します。【シイノトモシビタケ】はスダジイから発生し、以前は八丈島特産とされていましたが現在は他に地域でも見つかっています。【スズメタケ】もスダジイから発生。【アミヒカリタケ】は柄の部分が発光しますが光る力はそれほど強くありません。
【ギンガタケ( 仮称)【アリノトモシビタケ( 仮称)は、現在研究中の光るキノコで、八丈島から新たなキノコとして記載される日も近そうです。5月下旬頃から秋までが光るキノコの時期です。島の中でキノコを見るツアーもいろいろと実施されているので、是非ご覧になって下さい。また、八丈ビジターセンターでは培養したヤコウタケの展示もしています。


ヤコウダケ

シイノトモシビダケ

2006年盛夏号 vol.4
夏を彩る花たち
夏を彩る花たち 夏の似合う花、ハイビスカス?は街 路樹にも利用されています。 標高の高い登山道ではオトギリソウ ?、ハチジョウオトギリ、ハチジョウ ショウマ?なども観察できます。 食虫植物のモウセンゴケ?にも小さ な白い花が咲いています。 この時期から咲き始めるアジサイ は、葉にざらつきのあるラセイタタマ アジサイ?です。 海岸沿いでは、葉がネコの舌のよう にザラザラしているネコノシタ?やハ マゴウ?、ハマオモト?などが咲いて います。 島の園芸植物を販売しているお店 もたくさんあります。島のお土産と していかがですか?

2006年秋号 vol.5
ハチジョウコゴメグサ

ハチジョウコゴメグサ  
コゴメグサ属 
高さ 3~13cm

花は7-9月 
長さ11mm.

伊豆八丈・御蔵島
山地草原
絶滅危惧種

【写真・文 大賀郷 M.Oさん】

八丈島でこの花を観たいと思うと少し努力が要る。咲く場所が限られるからだ。
どうしてこの場所なのかと思う。
高さの割には花が大きい。

霧と強風の中けなげに咲いて見える。

この島には、黒潮のつくる自然環境のせいでこの島独特の進化がもたらされ、頭に「ハチジョウ」という名のつく草花が、多くあります。しかし、その中には絶滅が危惧されているものも少なくありません。皆でこの自然環境を守り、大事にしていきましょう。



2007年新春号 vol.6
イズノシマダイモンジソウ

ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草
学名: 
saxifraga fortunei var.crassifolia

わが国の本州、房総半島南部と伊豆諸島に分布しています。
「ダイモンジソウ」の変種で、半日陰の湿った崖や切通し等で沢山見られます。

葉は腎円形で厚く、花の茎や葉、葉の茎は細い毛で被われています。10月から1月頃、花茎を伸ばして白い花びらにピンクのオシベがかわいい花を咲かせます。

[写真・文 大賀郷 M.Oさん]


2007年陽春号 vol.7
シマテンナンショウ

学名:
Arisaema negishii

サトイモ科 
テンナンショウ属

[ 開花 ] 1月上旬 
[ 花 ] 黄緑色 
          10cm 
[ 高さ ] 30cm 
           雌雄異株

富士箱根伊豆国立公園指定植物 サトイモ科の植物で、三宅島、御蔵島、八丈島に分布します。
頭巾形の仏炎苞(ぶつえんほう)という中から、長く細い紐(付属体)のようなものを伸ばします。
八丈島では、同属のウラシマソウ(葉が1枚、ひもが立ち上がる)、ハチジョウテンナンショウ(葉が2枚、ひもなし)も見られます。 球根が太ると雌花を咲かせ、痩せると雄花を咲かせます。  

【写真と文 大賀郷 M.Oさん】


2007年緑輝号 vol.8
エビネ

和名 エビネ 
(蝦根、海老根)

学名 
Calanthe  discolor

分類 
ラン科エビネ属

多年草/花期4~5月

地下の球根が連なっている形が蝦の背中に見えるので”エビネ”。
通称はジエビネともいいます。


常緑樹林の中や雑木林の中で見られます。
高さは30~40センチ、根から伸びた花茎の上部にたくさんの花をつけます。
花は5枚の花びらと1枚の唇弁とでできています。
花弁は普通紫褐色で変化が多く、一見地味に思えますがよく見ると美しいです。

                 
 
【写真と文 大賀郷M.Oさん】


2007年 夏 号 vol9
カキラン

柿蘭
別名/スズラン
Epipactis thunbergii
ラン科カキラン属

多年草/花期6~7月花びらの色が黄褐色で、柿の色に似ているので柿蘭という

山の湿った場所に生える、高さ30~70センチ花は小さく1センチ程で、唇弁の内側に紅紫色の模様があります。

別名は実が鈴生りになることからです。


写真と文:
 大賀郷 沖山美枝子さん


2007年 秋号 Vol10
ナンバンギセル

分類: 植物
双子葉植物合弁花
1年草
ハマウツボ科.

名:
Aeginetia indica.

布:
北海道、本州、四国、九州、奄美・琉球

八丈富士の鉢巻道路を10月初めに散策中、牧草地のススキの原でキセルのような形をした奇妙な花が群生しているのを見つけました。  調べると一切の栄養分をススキに依存している寄生植物だそうで、その名も南蛮煙管です。
 この花、万葉集に

「道の辺の 尾花がもとの思い草 今さらになど ものか思はむ」

と詠われ、ここの「思い草」はこのナンバンギセルのことで、そしてこの歌の意味は、

「道端のススキ(尾花)だけを頼って生きているこの花のように、私はあなただけを頼りに生きているのですから、今さらほかに何一つ考えることはありません」

このような素直な想いをそのままに詠う万葉人はなかなかですね。
 
   写真・文  流着子



2008年 春号 Vol11
シュンラン

和名:シュンラン        春蘭

別名:
ホクロ、ジジババ

学名:
Cymbidium goeringil

分類:
ラン科シュンラン属

多年草/花期
 3月~4月

乾燥ぎみの林内に生える
八丈島のシュンランは環境のためか葉や花の数が少なく、株が小さめで花の下側につく唇弁は白色で紅紫色の斑点があります。

花びらを全部取ってしまうと弓形のずい柱が残りますがその形が腰の曲がったおじいさん、おばあさんの姿にたとえられることからジジババという名前もつけられています。

写真と文  
大賀郷 沖山美枝子さ


2008年緑輝号Vol.12
むべ
【トキワアケビ】

むべ【郁子】

学名:Stauntonia          hexaphylla  

別名:
  トキワアケビ

開花時期:
  3月末~4月

分類:
 アケビ科
     むべ属
 
春の八丈島の息吹をたのしもうと「ジュラ紀の森」探索にでかけた。

ヘゴの森、リュウビンタイの新芽を見ながら、鳥のさえずりに気をとられて 雑木を見上げると、その木に絡まったツルにたくさんの「むべ」の花を見つけうれしくなった。
おそらくは、その種子が遠い国から渡り鳥に運ばれ、この森で自生したものと思われる。
秋には、あひるの卵大の実をつける。この実は古来より長寿を保つ果実として重宝されてきた。

この島でもそのむべの実が見られることを思うと、秋の頃がまた楽しみになった。

花の写真・文    【H.K


写真:季節の花300

2008年 夏 号Vol.13
クワズイモ

学 名:
Alocasia
 odora

和 名:
クワズイモ

科属名:
サトイモ科 アロカシア属常緑性多年草

原産地:
インド・インドシナ半島・フィリピン・台湾・中国・日本


八丈島は高温多雨、照葉樹林帯焼畑農耕の代表的作物である里芋を、しかも多くの品種を

古くから栽培してきた。

そして、その里芋に花が咲くと、それを豊年の吉兆として喜んだそうである。

ゆたかなる 御代のしるしよ
     芋の華、

あるじいわふて 
      いともかしこし
  

     「流人・近藤富蔵」

絵は、里芋の仲間「クワズイモ」の花、6月末に花をつけた。名前のとおりこれは食べられない。シュウ酸カルシュウムが多く、誤って食べると舌がしびれて口が利けなくなるほどとか。 ここ八丈では、他種の里芋の花も見ることができる。

          写真・文【
H.K


2008年 秋 号Vol.14
センブリ

千振 別名/当薬

学名:swertia japonica

リンドウ科
センブリ属

花期 10月頃


リンドウと同じように日が当たっているときだけ花が開く。

「良薬口に苦し」の代表のような薬草で古くから胃腸薬としてよく知られている。

茎の先や葉の付け根に白地に紫色の線がある花をつける。

この島では、山肌や崖、道端などで比較的容易に見ることができる。

 【写真と文:大賀郷 沖山美枝子さん】   
 
2009年 緑輝号Vol.15
フデリンドウ

 筆竜胆

学名:Gentiana
 Zullingeri 

リンドウ科
リンドウ属



つぼみの形が筆の穂先に似ているのでこの名がつきました。

この仲間は日が陰ると花を閉じてしまいます。

八丈島では、フデリンドウ(4~5月)コケリンドウ(3~5月)ツルリンドウ(8~10月)の3種が見られます。

       【写真・文 大賀郷 M.Oさん】

 
 
2009年 夏 号Vol.16
 サクユリ

和名:
サクユリ(作百合)

学名Lilium auratum var.platyphyllum

ユリ科ユリ属ヤマユリ種 変種サクユリ

花期:7月~8月


 伊豆諸島固有のユリでそこに自生するヤマユリの変種。タメトモユリとも呼ばれる。

 草丈、花径とも世界最大のユリで、草丈2m、花径30cmにもなる。

 ヤマユリに似るが、花が大きく、葉は幅が広く厚く、花は大形で、芳香も強い。花被に黄褐色の斑点がほとんどない。

【花の写真・文 大賀郷M.Oさん】

 
 
 
2010年 緑輝号Vol.17
 ハマゴウ
  浜 香

和名:浜香
別名
浜ぼう、浜這い

学名:Vitexrotundifolia

分類:
クマツヅラ科
ハマゴウ属

形態:
這性落葉小低木

花期:7~9月

 

 海岸の砂丘に自生する浜辺の香り植物で、枝葉に芳香があり古くは香として用いられたため「浜香」と呼ばれた。

果実は蔓荊子(マンケイシ)と呼ばれる生薬で鎮痛、鎮静、消炎作用がある。

      (写真:大賀郷 M.Oさん)

 
 
 
2010年夏号
Vol.18
 ナツエビネ

和名:夏海老根

学名:Calanthe reflexa Maxim

分布:北海道・本州・四国・九州

生育場所:湿り気のある林内


ラン科エビネ属の多年草


花期は7~8月の夏咲きのエビネで、写真のような20~40CMの長く伸びた茎の上部に10~20の淡紅紫色の美しい花をつけます。

ナツエビネの名は、エビネ属の中で例外的に夏に花を咲かせることに由来します。

(写真:大賀郷 M.Oさん)
大切に見守りたい花の一つです。

 
 
八丈島の自然体験プログラム
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